すぐに僕ぼくは王子おうじさまの花はなの事ことを、もっとよく知しるようになった。王子おうじさまの星ほしにはもともと花はなびらが一重ひとえの素朴そぼくな花はなが場所ばしょもとらず、邪魔じゃまにもならずに咲さいていた。
很快我就弄清了这株花儿的来历。在小王子的星球上,过去一直生长一些只
有一层花瓣的极其简单的花。这些小花既不占地方,也不妨碍任何人。
ところがある日ひ、どこからともなく運はこばれてきた種たねが芽めを出だした。王子おうじさまは他ほかのものとは似にても似につかないその芽めを見みつけて、注意深ちゅういぶかく観察かんさつしていた。新種しんしゅのバオバブばおばぶかもしれないからだ。
しかしそれはすぐに伸のびるのをやめ、花はなを咲さかせる準備じゅんびを始はじめた。ふっくらと大おおきく艶あでやかに蕾つぼみが育そだっていくのを見みて、王子おうじさまは奇跡きせきのようなものが現あらわれてくるのを感かんじていた。
她们清晨在草丛中开放,晚上又自行凋谢。不知从什么地方来的一棵种子,有一天它忽然萌发了。不知从什么地方来的一棵种子,有一天它忽然萌发了。小王子精心地看守着这个与众不同的幼芽:这也许是猴面包树的一个新品种吧。
可是小苗很快就不再生长,开始孕育着一个花朵。小王子看到小苗上长
出了一个大花蕾,预感到这一定会开出一朵奇异的鲜花。
しかし花ばなは緑みどりの部屋へやに隠かくれたまま、美うつくしい装よそおいにかかりきりだった。慎重しんちょうに色いろを選えらび、ゆっくり衣装いしょうを纏まとい、花はなびらを一枚いちまいずつ整ととのえる。雛罌粟ひなげしのように皺しわくちゃな姿すがたは見みせたくなかった。これ以上いじょうはない輝かがやきを放はなつ美うつくしい姿すがたで華麗かれいに登場とうじょうしたかった。そう、花はなはとてもお洒落しゃれだった。
然而这朵花藏在她的绿房中,不断地修饰她那秀丽的容貌。她精心地选择着自己将来的色泽,慢慢地梳妆打扮,一片一片整理自己的花瓣。她不愿像丽春花那样,穿着又皱又破的衣裳来到人间。她只想一旦开放,就要让那美丽动人的姿容大放异彩。啊!是的,她是一朵非常爱美的花儿。
謎なぞめいた準備じゅんびは何日なんにちも続つづいた。そしてある朝あさ、ぴったり日ひの出での時間じかんに、花はなは姿すがたを現あらわした。そして、あれほど念入ねんいりに装よそおいを凝こらしておきながら、欠伸あくびを噛かみ殺ころしてこう言いった。
ああ、たった今いま目めが覚さめたばかり、ごめんなさいね。
髪かみがぼそぼそだわ。
她那神秘的梳妆打扮进行了多少个日日夜夜啊!终于在一天早晨,恰好是在太阳刚升起的时候,她露出了自己的容颜。
尽管已进行过非常精心的打扮了,她却打着哈欠说道:“哟!我刚刚睡醒…….
对不起…….我的头发还乱着呢…….”
しかし王子おうじさまは感動かんどうを抑おさえる事ことができなかった。なんて綺麗きれいなんだ、君きみは。
でしょう?
花ばなは静しずかに答こたえた。
私わたしはお日様ひさまと一緒いっしょに生うまれたんですもの。
王子おうじさまは花はながあまり謙虚けんきょではない事ことに気付きづいたが、それでも目めが眩くらむほど美うるわしかった。
小王子此时情不自禁地称赞:
“您是多么美丽啊!”
“可不是么,”花儿温柔地答道:“我跟太阳是同时出生的…….”
小王子看出了这花儿不太谦虚,可是这花儿的姿色是何等动人啊!
そろそろ朝食ちょうしょくのお時間じかんね、お願ねがいしてもよろしいかしら?
王子おうじさまはすっかりドギマギどぎまぎしていたが、如雨露じょうろに新鮮しんせんな水みずを汲くんできて、たっぷり花はなにかけてあげた。
花儿随后又说道:
“现在该吃早点了吧,请您也想着我点儿……”
小王子很不好意思地拿来了一个装满清水的喷壶,给那花儿浇水。
花はなはすぐに気きまぐれな自惚うぬぼれで王子おうじさまを困こまらせるようになった。例たとえばある日ひ、自分じぶんの四本ほんの刺とげの話はなしをしながらこう言いった。
たとえ虎とらが来きても大丈夫だいじょうぶよ。鋭するどい爪つめで。。
僕ぼくの星ほしには虎とらはいないよ。それに、虎とらは草くさを食たべないし。
私わたし、草くさではないんですけど。
ごめんなさい。
就这样,这朵花就以她那有些多疑的虚荣心折磨着小王子。例如,有一天,
她对小王子谈起了她身上的那四要刺时说道:
“很可能会有张牙舞爪的老虎跑来的!”
“我的这个星球上没有老虎,何况老虎是不吃草的。”小王子反驳道。
“我不是草。”花儿轻声道。
“真对不起。”
虎とらなんかちっとも怖こわくないけれど、風かぜが吹ふき込こむのは苦手にがてなの。あなた、衝立ついたてはないのかしら。
風かぜが吹ふき込こむのが苦手にがてだなんて、植物しょくぶつなのに、困こまった事ことだな。この花はなは結構けっこう気難きむずかし屋おくさんだぞ。
暗くらくなったら、ガラスがらすの覆おおいを被かぶせてちょうだい?この星ほしはとても寒さむいわ。作つくりが悪わるいのね。前まえに私わたしがいた所ところは。。。
“我并不怕什么老虎,可我讨厌过堂风。您没有屏风吗?”
“讨厌过堂风……这对花草来说可真叫不走运。”小王子思量着,“这朵花
可真叫难伺候……”
“晚上您把我罩起来吧,您这里太冷了。住在这里够受的,我原来住的那个
地方…….”
花ばなはいきなり口ぐちを噤つぐんだ。種たねの状態じょうたいで来きたのだから、他ほかの世界せかいの事ことなど何一なにひとつ知しっているはずがない。花はなはすぐにばれる嘘うそをついてしまった事ことが恥はずかしくて、悪わるいのは王子おうじさまのせいにしようと、二度ど三度どせきをした
で、衝立ついたては?
可她支欲言又止了。她来的时候是粒种子,对别的世界一无所知。她为自己
编造了谎话而感到不好意思,便咳嗽了两三声,好使小王子觉得也有过错。
“屏风呢?”
探さがしに行いこうとしていたら、君きみが話はなしかけてきたんでしょう。
すると花はなはわざとまたせきをして王子おうじさまの良心りょうしんを疼うずかせた。
こうして王子おうじさまは心こころから愛あいしていたにも関かかわらず、じきに花はなの事ことを信用しんようできなくなっていった。些細ささいな言葉ことばを一一いちいち深刻しんこくに受うけ止とめ、そのたびに不幸ふこうになった。
“我刚才正要去拿,可您正跟我说话呢!”
这时花儿又拼命咳嗽了几声,还要使小王子后悔自己的过错。
这样一来,尽管小王子诚挚地爱上了这朵花,却使他很快对花儿产生了怀疑。
小王子对一些无关紧要的话看得过于认真,结果至今深感不幸。
花ばなの言いう事ことなんか、聞きかないほうがよかったんだよ。ただ眺ながめたり、香かおりを楽たのしんでいればいいんだ。あの花はなは僕ぼくの星ほしをいい香かおりで満みたしてくれた。それなのに僕ぼくはそれを楽たのしめなかった。虎とらの爪つめの話はなしにしても、僕ぼくはうんざりしたけれど、花はなにして見みれば、ほろりとさせるつもりだったのかもしれない。
有一天,他向我吐露了真情:“我本不应该听信她,绝不该听信花儿们的话。
应当观赏她们的艳容,闻闻她们的芳香。我的那朵花使我的星球清香四溢,可惜我没有福气享受。老虎张牙舞爪的故事本应该打动我的心,却反而使我大为恼火……”
あの頃ころの僕ぼくは何なにもわかっていなかったんだね。言葉ことばではなく、振ふる舞まいで判断はんだんしなくちゃいけなかったんだ。花はなは僕ぼくの星ほしをいい香かおりで満みたし、明あかるくしてくれた。僕ぼくは逃にげちゃいけなかったんだ。つまらない見みせかけに隠かくれた花はなの優やさしさに気付きづくべきだった。花はなって本当ほんとうに矛盾むじゅんしているからね、でも僕ぼくはまだ子供こどもで、あの花はなの愛あいし方かたがわからなかったんだ。
小王子继续向我倾吐肺腑之言:
“我当时什么也不懂!我本应该根据她的行为来判断她,而不该只听信她的
话。她花香四溢,沁我心脾,给我光明。我真不该离开她跑了出来!我本应该体会到,隐藏在她那不高明的花招后面的是一片脉脉温情。花儿是多么自相矛盾啊!可惜我那里太年轻,还不懂得爱她。”
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